
とろこで、体験取材記事を書くために参加したこの俺はというと、美歩ちゃんのゴールの瞬間、人工芝に頭をめり込ませ激痛に喘いでいた。前半、出場わずか1分弱で、すでに肉離れ発症。勝利の笛が鳴った時にはベンチすら去り、受付脇でトレーナーに治療を施してもらっていたのだ。がびーん。体験できねー。
やはり、浮かれ過ぎが原因だ。よーく体が暖まる前から、いいとこみせたいばっかりに無茶なプレーをしてしまったのだ。でもさあ、だって西田美歩だぜ。もしも、俺からのパスで美歩ちゃんがゴール決めたら……なんてこと、想像しちゃうじゃないですか。
(以下、妄想)
西田「ナイスパス! なんだか呼吸が合いますね」
江橋「実は俺も、君と初めて会った気がしないんだ」
西田「そうね、私たち、ずっと前から出会う運命にあったのかも」
江橋「俺のパスを感じてくれるかい?」
西田「いやーん」
ちょっと待て、一旦止めます。何だこの原稿は。読者のみなさんには、5段落目以降のくだりを一切無視していただいて、話を元に戻す。
負傷した俺は当然ながらプレー続行不可能。そして美歩ちゃんは、参加各チームを巡って記念撮影をするために教室チームを離脱した。そっか美歩ちゃん、バーレーン代表の帰化選手みたいに、永住してくれるわけじゃないのね。気がつけば教室メンバーは、残り3試合を6人で戦わなくてはならなくなった。
で、一気に端折りますが、「それ見たことか」と言わんばかりにバテバテの教室チームは、2勝2敗でグループリーグ3位に終わった。